アリスの見た夢。

 ねえ、わたし夢を見たの。どんな夢だか聞きたい?
 もしかしたらあなたは聞きたくないかもしれないけれど、わたしは話してみたいの。
 だって夢が、話してくれってわたしに頼むんだもの。
 もし聞きたくなければ耳をふさいでね。
 共感できないように感覚を閉ざすの。
 人間はどちみち、自分の見たいもの、聞きたいもの、感じたいものしか受け入れていないのよ。
 そうじゃなくちゃ、この膨大な情報の海を渡っていけると思う?
 わたしたちは常に、自分で選んでいるのよ。

 そうそう、夢の話。
 わたしは大きな白い階段を降りていったの。
 そうしたら、わたしの背丈の二倍はある、木で縁取りされた大きな鏡があって、覗いてみたら、映っていたのはわたしじゃなくて、あなただったの。

 え? それだけかって?
 そう、たったそれだけ。

 でも、気づいたの。
 わたしはあなたで、あなたはわたし。
 誰もが奥底で繋がっているのよ。

 さあ、もう朝食の支度をしなくちゃ。現実に戻らないといけないわ。
 でも、この現実もわたしの見ている夢かもしれないわね。

 そう思わない?

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